架空非行第15号をリリースしました

フリーペーパー架空非行の第15号を10月1日にリリースしました。2回の総集編を経て、ようやく新しい企画がスタートです。

今号から「試し読み」や編集後記的なものが無くなり、投稿作品だけになりました。投稿作品のテーマは「架空ストアで扱っている作品をモチーフにすること」だけです。

原稿の募集を始めるのが遅かったので、全く集まらないことも想定していたのですが、ほんの数日で誌面を埋めるのに十分すぎる量の作品がそろったのは、本当に嬉しい誤算でした。あらためて感謝申し上げます。

では、掲載作品を掲載順に、好きな部分を一言で触れつつ、見ていきましょう。なお、作家名は敬称略といたします。

(1)葉原あきよ「日曜日」
「僕」が自分では演奏に参加しないところから、うかがい知れない本心が見えるような見えないような感じがして好きです。

▼モチーフは…

氷砂糖「born to sing」
氷砂糖「born to sing」
https://store.retro-biz.com/page_detail_3387.html

 

(2)魔女「kujira-ship troopers」
「だってクジラのポストカードに書くくらいだし」が好きです。

▼モチーフは…

オオタユキ「kujira-ship troopers」
オオタユキ「003 kujira-ship troopers」
https://store.retro-biz.com/page_detail_1083.html

 

(3)松岡永子「better half」
「ああ、そうか、片翼なんだ…」とあらためて気づかれるところが好きです。

▼モチーフは…

蓮見なつね「セレストの片翼」
蓮見なつね「セレストの片翼」
https://store.retro-biz.com/page_detail_2590.html

 

(4)葉原あきよ「帰り道」
彼女がまだいるかどうか確かめたくなる読後感が好きです。

▼モチーフは…

蓮月堂「鳥居のむこう」
蓮月堂「鳥居のむこう」
https://store.retro-biz.com/page_detail_2008.html

 

(5)イシムラ「Wish You Were Here」
注釈欄を使った作品を一つくらいは載せたい…という思いだけで書いたのがよく分かるところが好きです。

▼モチーフは…

doco*ao
doco*ao「- 青色fossil – 体躯成ル装身類」
https://store.retro-biz.com/page_detail_2766.html

 

 

ダウンロードの方は、フォントを含まない軽量版を廃止して、フルサイズ版だけになりました。PCでもタブレットでも、綺麗で読みやすい誌面が楽しめるかと思います。

印刷の方は、今までのレーザープリンタ印刷をやめて、印刷所で印刷してもらうようになりました。入稿が遅れに遅れたので、ようやく今日届いたところです。300部限定。無くなったら配布終了となります。

「人工衛星の街角」や「デイジー・チェインソー」のような、各号ごとのタイトルが無くなったので、ちょっとぼんやりした感じがするかも知れません。次号以降はタイトルをつけた方が良いかも知れませんが、ぼんやりしてるのも悪くないので、そのあたりは行き当たりばったりの思い付きで随時右往左往する予定です。

通販時の同封および井の頭店(実店舗)の店頭にて配布中。
ダウンロード販売もやってます。
https://store.retro-biz.com/page_passport_3425.html

原稿募集についてはこちらをどうぞ。次号の締め切りは10月15日頃です。
https://store.retro-biz.com/fn_press.html

架空非行第15号以降の予告

架空非行は、第15号から投稿作品の募集を再開する予定です。

詳しい募集要項を一日も早く公表したいところなのですが、ちょっと他の作業に足やら手やら取られまして、とてもとても遅れています。
とりあえずここに今後の方針的なことを箇条書きで書き留めておくことで、作品を投稿してくださる作家さんへの予告と言いますか、場合によってはフライング気味に作品を書き始めていただくきっかけにできれば…と期待しつつ書いてみます。

 

○第15号からの架空非行(案)

  1. 架空ストアで取り扱っている商品(売り切れでも可)をテーマ・モチーフにした投稿作品を募集します。
  2. 投稿作品は、文章でもイラストでもマンガでも構いません。
  3. 自分の商品をモチーフにするのは禁止です。
  4. 投稿作品のタイトルは、モチーフにした商品のタイトルと同じでも違っても構いません。ただし、どの商品をモチーフにしたかは、必ず明記してください。
  5. 投稿作品の文字数やサイズに、特に規定はありません。
  6. 募集の段階では、各号にテーマは設けません。ただし、掲載作品を選んでから、こちらでそれっぽいテーマを後付するかも知れません。
  7. 第15号からは、リードライターは設定しません。
  8. 第14号までは架空ストアのレーザープリンタで印刷していましたが、第15号からは印刷所で印刷してもらいます。部数は300部を予定しています。
  9. 印刷所に発注する関係で、各号の締め切りはこれまでより早めになります。たぶん15日あたりです。ただし、締切に間に合っても、掲載するのは次の号や、次の次の号になる場合もあります。
  10. 第14号までのような、「試し読み」を第15号以降も掲載するかどうかは未定です。

 

正式な募集要項は後日公表しますが、それまでは、このおおざっぱな内容をもとに、もしよろしかったら原稿をお送りください。
そうは言っても、10月1日発行の第15号は、誰からも投稿がないことを覚悟して、自分で原稿を用意しておくつもりですので、無理はしないで大丈夫です。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

総集編第2弾!架空非行第14号をリリースしました

9月1日にフリーペーパー架空非行第14号をリリースしました。今年の夏は妙に暑かったり寒かったりの繰り返しでしたので、9月だよ!と言われても、早いような遅いようなよくわからない気分です。

前号に引き続き総集編となります。今年2月の第7号から7月の第12号までを振り返って、ああ、この作品好きだったな…と当時の気持ちがよみがえるような作品を集めてみました。

奇まぐれ屋さんの「春を抱き夢うつつ」は、第9号「桜の森の満開の下」に掲載した作品で、わたりさえこさんを皮切りに、本家坂口安吾まで突き進む濃密なラインナップの中で、香りのしない風が一瞬で吹き抜けるような、涼やかな筆致がとても心に残りました。ふと我に返るような、だけどそれも現実ではないような。第9号の中でも特に大事な位置を占めた作品だと思います。

わたりさえこさんの「それではおしまい、では次の方。」は第11号「デイジー・チェインソー」からの作品、タイトルが秀逸ですね。古き良きSFの匂いも感じられます。はっきりくっきりとした語り口が小気味良くて、終盤で脳裏に浮かぶ光景の鮮やかさには、いまだに心拍数の上がる思いがします。

葉原あきよさんの「追いかけっこ」は、猟奇的になるギリギリのところでクイックターンしてポップに転じる技巧が光る作品、これも第11号からです。緑から始まってピンクで終わる色彩の変化がとても好きです。デイジー・チェインソーというテーマを、余すところなく昇華させた一作と言えるでしょう。

氷砂糖さんの「拾った物は」は、一行目がすべてのような作品。だけどその後の物語が蛇足にはならず、一行目をしっかり発酵させているのがさすが。見習いたい作品です。こちらは第12号「パレードの落とし物」から。

 

以上、4作品にくわえて試し読みが4つ。第13号とは双子のような関係になりました。いや、第13号の方が作品が1本多いので、アダムとイブのような関係でしょうか。だからと言って特に意味はないですけれど。

架空ストア実店舗店頭での配布および、通販時の同封で入手できます。9月末まで。ダウンロードでの提供もありますのでぜひどうぞ。

 

総集編はこれにて終了いたしまして、第15号から新たな試みを開始できればと思ってます。まだ何のアイディアもありませんが、きっと何とかなるでしょう。楽しみです。

近日中に、何らかの告知ができればと思ってます。
「困ってます」とかいう告知でないようにしたいものです。

 

ではでは。

架空非行第13号は総集編です

フリーペーパー架空非行第13号をリリースしました。昨年8月の第1号から今年1月の第6号までを振り返って、「今あらためて読んだらなんだか気になった作品」を5本選んで掲載しています。

葉原あきよさんの「うさぎ」は、第3号「日常にとけこむもの」に掲載。あきよさんが架空非行に寄せてくれる作品は、その号のテーマを知らずに読むと表情がガラリと変わる「二面性」のあるものが多いような気がします。この作品もそうなのですが、テーマを知った上であっても、なんだかわかるようなわからないような、「語られない余韻」の衰えない感じが、とても好きです。

松岡永子さんの「我が家の朝食」は、日常の家事の最後にキュッと蛇口を締めるような、丁寧な語り口が印象的な作品です。その最後の手つきがとても好きです。あ…と思った後で、思わずもう一度最初から読み返してしまった人が多いんじゃないかと思います。こちらも第3号の掲載作品でした。

たなかなつみさんの「外の世界へ通じる扉」は、第5号「楽園に行こう」の掲載作品です。この作品が気になった理由については、ちょっと説明が難しいです。久しぶりに読んでみて、「あ、架空非行だったのか」と驚いたのですが、なんだか僕の頭の中では、ハヤカワのSFアンソロジーか何かで読んだ他の作品と一緒に分類されていた感じなのです。イントロのような内容なので、さりげなく他の物語とくっついてしまったのかも知れません。

月読さんの「永遠ハレルヤ」は、第6号「人工衛星の街角」のリード作品でした。カラフルでサイケな浮遊感が印象的です。幼い頃に人工衛星に感じたトキメキが良い感じにくすんで、街角に落ちてきています。今あらためて読んでみても、最初に読んだ時に感じたみずみずしさは失われていませんでした。

五十嵐彪太さんの「観察する少女」は、第4号「これはペンですか?」に掲載。とても美しい作品です。でもギュッと抱きしめたら醜いものが零れ落ちそうな危うさもあります。それはつまり「儚さ」かとも思いましたが、一言で言い表そうとすると陳腐になりますね。一言では言えないからこそ物語になるんだということを、今回あらためて認識させられました。

 

以上の5作品の他の、試し読みが4本で、全体としては4ページのコンパクト構成。創刊当初の基本方針に立ち返ってみた感じです。

架空ストア実店舗店頭での配布および、通販時の同封で入手できます。8月末まで。ダウンロードでの提供もありますのでぜひどうぞ。

 

第14号も総集編で、第7号から第12号までを振り返ります。
その後どうするかはまだまだ考え中です。いろいろと野望はありますが、無理せず続けられるような落としどころを探らなければと思ってます。

フリーペーパー架空非行第12号「パレードの落し物」をリリースしました

フリーペーパー架空非行第12号をリリースしました。毎月発行ですからこれでようやく1年分。クイズ大会の商品で「架空非行1年分」というのがあったら、この量です。おぼえておいて下さい。

さて、第12号のテーマは「パレードの落し物」です。

ご存知の通りパレードと言うものは、「A点からB点へと一定期間内に移動する集合体」であり、いつでもどこでも見られるというものではありませんので、何かと要領の悪い現代人の皆様方におかれましては、「去っていくパレードの小さな後ろ姿ばかりを目撃してしまう人生」や、「さっきまでパレードがここにいたんだよ…と教えてもらうばかりの人生」がしばしば見受けられます。

また、「部屋で独りで遠くから聞こえてくるパレードの音を聞くのが好き」とか、「パレードが来る前の気配だけを楽しむのが通である」などの生き方も決してマイノリティとは言えません。むしろ共感される方が多いのではないでしょうか。

そのように考えてみますと、パレードを目撃するというのは、誰でも当たり前のように体験することではなさそうです。

おそらく沿道に集まったほとんどの人にとって「初体験」だと言っても過言ではなく、パレードなんて何度も見てきたよ…と言うようなしらけた顔で鼻をかいている中年男性が、実はパレードの到着に胸が高鳴り、手のひらにじわりと汗をかいているなんてことも良くあることに違いありません。

ですから、「パレードの落し物」が不意に目の前に現れた時に、その場ですぐに適切な対応のできる大人がほとんどいなかったとしても、それは仕方のないことではないかと思うのです。

マナーの分からない高級料理を差し出されたかのように、横目で他の大人の動きを窺い、けん制し合い、愛想笑いのエールが交換されるでしょう。良識ある大人を自負する一部の人たちが市役所に問い合わせてみるものの、電話の向こうの部署が何度も変わっているうちに、パレードは隣の市へ入ってしまって管轄外となるのがオチです。

また、マナー教室の先生に「パレードが落し物をしたら…」などと聞こうものなら、その場の空気が凍りつくこと必至です。どうするべきかを知る方法は、大人にはもう存在しません。

そんな無限の行き詰まりの下、恐るべき子供たちばかりが道路に走り出ていくのです。

 

今回もずいぶんと前置きが長くなりました。MOCAさんの「モコモコパレード」はもっとずっと気楽に楽しめますので安心して下さい。

「くすっとBOOK」が架空ストアの作家さんやお客さんたちの間で話題となったのは、今から3年前のことです。それからほどなく完売してしまったので、「面白い作品があるよ」ではなく「あったんだよ」としか言えず、何とももどかしい日々が続いていました。

ほんの少しでも新作を拝見できないものかと、架空非行の原稿依頼をしてみたところ、実は新刊の用意がありまして…という嬉しい答えが返ってきてバンザイ!新刊「ふふっとBOOK」に合わせて架空非行第12号が登場する運びとなりました。

完売となっていた「くすっとBOOK」も再入荷しておりますので、モコモコパレードに興味を惹かれたなら、ぜひこちらもチェックしてみて下さい。とてもオススメです。

 

ゲストは、氷砂糖さんたなかなつみさん松岡永子さん葉原あきよさん五十嵐彪太さんの5人です。

目に見えない蜘蛛の糸がうっすらと漂っているような、ちょっと面白い並びが実現しているように思います。全然違ったパレードが描かれているようでいて、ひょっとしたら同じパレードを違った時空から眺めているだけなのかも知れません。こういう感じのことが意図的にできたら面白いんだろうなあと夢想したりもします。

試し読みは5本です。今までにない試みとして、ゲストの5人の作品を選んでみました。掲載順も同じです。それで何らかのリズムが生まれたかどうかはよく分かりませんが、いつもとは少し違った顔つきになっているような気がしています。

 

架空ストア実店舗店頭での配布および、通販時の同封で入手できます。7月末まで。ダウンロードでの提供もありますよ。

第13号・第14号では、これまでの総集編を予定しています。うっかり大変なことを予定してしまったなあと早くも後悔していますが、どうなることやらご期待下さい。

架空非行第13号と第14号は総集編です

フリーペーパー架空非行は「とりあえず1年」ということで昨年の8月に創刊しましたので、7月1日発行予定の第12号で一段落となります。

原稿を寄せてくれた作家さんたちとの1年はとても楽しく、思いがけない傑作に出会えたり、個人的にも良い刺激となりました。(まだ終わってないけどね)

一方で、「架空ストアで取り扱っている文芸作品の宣伝・売り上げ向上」という目標が達成できたかと言うと、多分に怪しいところがあります。贔屓目に評価しても、「(文芸作家さんとの交流や知名度の向上に)ささやかながら効果はあった」という程度でしょう。

同じ目標・同じスタイルのまま今後も続けたとして、いずれ効果が期待できるか?というと、そういうこともなさそうですので、目標もスタイルも、ここらで一度考え直すべきだと思われます。

今のところ、「文芸以外の作品の宣伝にもなって、もう少し気楽に読める要素も取り入れて…」というような方向で検討中ですが、結論はもう少し先送りにすることとしまして、いずれにしてもスタイルが変わるのならば、これまでの全12号に掲載された作品を、きちんと振り返っておいた方が良さそうです。

埋もれてしまうには惜しい作品がたくさんありますからね。

第13号では前半(第1号から第6号)、第14号では後半(第7号から第12号)の作品から印象に残っているものをピックアップして、簡単なコメントを添えて紹介する予定です。

選者を誰かに依頼すべきかはいまだにちょっと悩んでいまして、それがこのお知らせがだいぶ遅くなってしまった理由の一つでもあるのですが、うーん、まあ、編集者として、感想をきちんと書いておくのも必要なことだろうという気もしますので、自分でやるつもりで準備中です。でも、「選者やりたい!」という人にたまたま出会ったら、手伝ってもらうかも知れません。そのへんはまだ霧の中です。

2回でうまくまとまらなかったら、第15号は総集編の番外編になる可能性もあります。そうでなければ、新しい架空非行は第15号からです。10月号ですね。原稿募集があるとしたら、おそらく9月のどこかになることでしょう。

 

未確定の内容が多い曖昧なお知らせで恐縮ですが、そんな感じで続いていきます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

http://store.retro-biz.com/fn_press.html

 

 

フリーペーパー架空非行第11号「デイジー・チェインソー」をリリースしました

フリーペーパー架空非行第11号をリリースしました。

第11号のテーマは「デイジー・チェインソー」です。検索すると90年代の初頭のイギリスのロックバンドが出てくるので、ああ、これがテーマかと思われた方が多そうですが、そうではありません。

いや、そうではないと言ったら言い過ぎで、実際のところ無関係ではありません。でも、無関係ではないと言っても言い過ぎな気もしてきます。どっちかな。どっちだろう。右か左か天秤ばかりが揺れたまんまでいつになっても静止しません。大音量のBGMにウーハーが利きすぎているからでしょうか。それともテーブルに置いた僕の手が震えているのでしょうか。

(ここまで書いて、筆が止まり、しばらく先が書けないまま数時間が経過して、キーッとなってきました。)

震えてないで、BGMも止めて、落ち着いて経緯を説明しましょう。

僕も最初は検索しました。

ただし検索ワードは「デイジー・チェインソー」ではなく「キリンジ」です。リードライターの木村ことりさんが、キリンジのことをやたらとツイートしていたので、ちょっと気になったんだったと思います。その時点ではデイジー・チェインソーのことは全く頭にありませんでした。そこそこ好きなバンドだったとは言え、20年以上前の話ですからね。

キリンジの曲名や詞をつらつらと眺めていく中で、「さよならデイジーチェーン」という曲があるのを知りました。とても良い曲です。すごく心惹かれるのを感じました。と同時に、その引力に不審なものも感じました。何だか強すぎるのです。細腕の少女がタグボート並みの力でグイグイ引っ張ってくるような、見た目の印象と物理が釣り合わない不自然な感じです。

これは何かあるぞ…と曲名をひたすら睨み付け、やがて僕は「デイジー・チェインソー」のことを思い出しました。

そういえば、あの生きづらそうだった女の子は、今どうしてるんだろう?

そこでまた検索に次ぐ検索です。インターネットが普及してなかった90年代初頭では知りようもなかったことが、いろいろ分かりました。予想通りのことと予想外のことが半々くらい。架空非行のことを忘れて、気が済むまで調べまくりました。

それからようやく架空非行の方に意識が戻ってきて、うんうん、この曲名はいいんじゃないか、「さよならデイジーチェーン」…と思って、愛用のペンでノートにメモをして、いろいろと事務手続きを済ませてから、さあ、木村ことりさんにテーマを知らせようと思って、再びノートを開いたところ、そこには「デイジー・チェインソー」と書かれていたのです。

これが経緯です。

ああ、これだとただの書き間違えのようですね。そうじゃないんですが、なかなかうまく説明できません。メモをした時点では、「さよならデイジーチェーン」と「デイジー・チェインソー」の区別なんて無くなっていて、前者の思いを込めて後者の文字を書いたんだ…と思ってもらえると、誤解はいくらかでも軽減できるでしょうか。

ともかく僕は、ノートに書かれた文字の、可愛らしさと凶暴さの共存するたたずまいにあらためて納得し、このテーマを木村ことりさんに伝えたのでした。

 

前置きがとても長くなりました。このテーマに快く応えてくれた木村ことりさんの作品は、「デイジーチェーン(数珠つなぎ)」を意識したループする物語です。後半の加速する感覚がまるでポップソングのサビのようで、原稿を受け取ってすぐに今号の成功を確信しました。果たしてこの円環を断ち切るノコギリを、手にする日は来るのか来ないのか。

ゲストは五十嵐彪太さんわたりさえこさん秋山真琴さん(雲上回廊)葉原あきよさんの4人+αです。愛嬌と異形が共存する「ポップ」が垣間見える作品がそろったように思います。テーマをうまくくみ取ってもらえて感無量です。

主に行数とレイアウトの都合で、掲載の順番はほぼ選択の余地がなかったのですが、何だか最初からそこに収まっていたかのようにピタッと並んでくれました。テーマの持つ謎の粘着力のせいかも知れません。

試し読みは5本です。新しめの作品が中心で、今回はマンガ作品のレイアウトを少し変えてあります。この方が魅力が伝わるんじゃないかと思うのですがいかがでしょうか。

 

架空ストア実店舗店頭での配布および、通販時の同封で入手できます。6月末まで。ダウンロードでの提供もありますよ。

続きまして7月1日発行予定の第12号のテーマは「パレードの落し物」です。

うっかり間違えて「パレードの忘れ物」って書きそうになります。どちらにしようか結構悩んだためですが、これもまた、「デイジー・チェインソー」と「さよならデイジーチェーン」のような関係じゃないかと思われます。

リードライターはMOCAさんです。くすっとBOOKのMOCAさんですよ。

 

原稿募集の詳細等はこちらをどうぞ。
http://store.retro-biz.com/fn_press.html

フリーペーパー架空非行第10号「山猫から聞いた話」をリリースしました

一日遅れの報告となりまして恐縮ですが、フリーペーパー架空非行第10号をリリースしました。

第10号のテーマは「山猫から聞いた話」です。どことなく宮沢賢治を思い起こすテーマではありますが、そちらへ進もうとするとたちまち道に迷い、ならば別の道だとピクニックへ繰り出せば、「果たして山猫は何を話したのか?」というお弁当にたどり着く前に、「え?話すの?山猫と?」という現代人として当たり前の戸惑いが立ちはだかり、さらには「山猫って家猫と何が違うの?」という不安に足をとられ、とりとめもなく話がそれてしまいがちなテーマでもあります。

リードライターは猫春さんです。山猫でも家猫でも無いはずですが、そのあたりをきちんと確認してみたことはありませんので、今回の作品で正体の尻尾くらいはつかめるのではないかと期待しています。山猫のいる世界がスルリとすべりこんでくるスリリングな呼吸の快作ですね。

ゲストは葉原あきよさん松岡永子さん萩野翔太さん五十嵐彪太さんの4人+αです。+αの部分で試行錯誤はあったのですが、この順番にしよう…というのはわりとすぐに決まりました。皆さんの腕をかいくぐって山猫がのらりくらりと駆けて行くような流れを感じていただけたら幸いです。

試し読みは5本です。わりと新しめの作品からちょっと懐かしい作品まで、幅広いラインナップになりました。空に関係する作品ばかりになったのは、怖いくらいの偶然です。これを必然であると言い張ってみたらどうなるか、しばらく考えてみたことはここだけの秘密です。

 

架空ストア実店舗店頭での配布および、通販時の同封で入手できます。5月末まで。ダウンロードでの提供もありますよ。

続きまして6月1日発行予定の第11号のテーマは「デイジー・チェインソー」です。
いきなり突拍子もないテーマが登場した感がありますが、リードライターは木村ことりさんです。愛らしさと凶暴さの同居する言葉の響きをどのように料理していただけるか、どうぞご期待ください。

原稿募集の詳細等はこちらをどうぞ。
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フリーペーパー架空非行第9号「桜の森の満開の下」をリリース

フリーペーパー架空非行第9号をリリースしました。

第9号のテーマは「桜の森の満開の下」です。ご存知の方も多いと思いますが、坂口安吾の作品名を借りてみました。借りたからにはさっさと返さなくてはなりませんが、安吾先生が「返せ!」と言うまでは借りっぱなしでも良いかと思います。うっかり顔を合わせてしまっても、将棋の話でごまかせばきっと何とかなるでしょう。

リードライターはわたりさえこさんです。閻魔様と鬼たちの豪快な笑いが目と耳に残る快作が届きました。今後見事な桜の木に出会うたびに、彼らの宴を思い浮かべてしまうのではないでしょうか。なお、架空ストアでお預かりしている3作品の内容もさることながら、ブログの文章が非常に風通しが良く端正で、更新を楽しみにしてしまうくらいでしたので、今回思い切ってお願いしてみてご快諾いただけたのは本当に嬉しかったです。

ゲストは五十嵐彪太さん松岡永子さん氷砂糖さん奇まぐれ屋さん葉原あきよさんの5人です。それにくわえて安吾先生の「桜の森の満開の下」から一部を引用しています。作中で一番好きな個所…ではなく二番目に好きな個所を引用しました。一番好きな個所がどこか?という話を、いつか誰かとしたいと思ってます。前回誰かとそういう話をしたのは20年くらい前です。どういう内容の話だったかはもう忘れてしまいました。多分、話したということ行為自体が大切だったのでしょう。

試し読みは5本です。マンガなど、文章もの以外ばかりを選んでみました。桜吹雪の後の静寂を疑似体験するのにふさわしい試みになったのではないかと自画自賛してます。文章以外の試し読みはもっと早くやってみたかったことではあるのですが、第9号にしてようやく実現です。ずいぶん時間がかかったものです。

 

架空ストア実店舗店頭での配布および、通販時の同封で入手できます。4月末まで。ダウンロードでの提供もありますよ。

続きまして5月1日発行予定の第10号のテーマは「山猫から聞いた話」です。
坂口安吾の次は、やや宮澤賢治方面へ向いたでしょうか。リードライターは猫春さんです。山猫がやってきて話をしてくれると良いのですが、ひょっとすると対馬や西表あたりまで出かけていって話を聞かなくてはならないかも知れません。どうか無事に帰ってきてください。

原稿募集の詳細等はこちらをどうぞ。
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フリーペーパー架空非行第7号「あひるの決闘」をリリース

フリーペーパー架空非行第7号をリリースしました。

第7号のテーマは「あひるの決闘」です。ゲイリー・クーパーとグレース・ケリーの西部劇で「真昼の決闘」と言うのがありましたね。名作です。僕はまだ観てません。

リードライターとしてのコジマケンさんの作品は架空非行初のイラストです。表紙がイラストになるだけでずいぶんと印象が違うものだなあと思います。
ゲストにはたなかなつみさん萩野翔太さん氷砂糖さん葉原あきよさん五十嵐彪太さんをお迎えしました。

新春特大号と同じ6ページになってしまったのは想定外ですが、才能あふれる皆さんが「あひる」の扱いにあの手この手を駆使する様が堪能できる、実験色の強い内容になりました。コジマさんのイラストの突破力のおかげもあって、今までで一番サイケな架空非行ではないでしょうか。こういうの好きです。

第1号から第6号までは、うまい具合にバトンが受け渡された感があって、第5号あたりからは一つの完成形…と言っては大げさかも知れませんが、安心して住めるアパートのような「堂々」に達したように感じていました。そのままその路線を突き詰めていくのも良いかと思いつつも、もっといろんな可能性を探してみたいという野望の方が強く、もっとも付き合いが古く、もっとも信頼しているコジマさんに託してみた次第です。託してみて良かったです。あひるはそこかよ!って思いますね。やられました。

ゲストの作品はどれも印象的ですが、皆さんの頭の中のあひるが大暴れして書かせた作品ばかりという感じがします。葉原あきよさんと五十嵐彪太さんは、どうしても最後に並べてみたくなってそうしました。妙に癖になるリズム感がありますね。

試し読みは5本掲載しています。主にレイアウトの都合から、いつもより1本多くなりました。読み応えのある作品ばかりを選んでますので、ぜひ好みに合いそうな作品を探してみて下さい。

架空ストア実店舗店頭での配布および、通販時の同封で入手できます。2月末まで。ダウンロードでの提供もありますよ。

続きまして3月1日の発行予定の第8号のテーマは「売名行為」です。
リードライターはあひるなんちゃらの関村俊介さんです。また「あひる」か!とお思いでしょうか。あ、そういえばあひるだ!とたった今気づきました、僕は。驚きです。初の劇作家の登場ですが、果たしてどんな作品が届くでしょうか。

原稿募集の詳細等はこちらをどうぞ。
http://store.retro-biz.com/fn_press.html