フリーペーパー架空非行第12号「パレードの落し物」をリリースしました

フリーペーパー架空非行第12号をリリースしました。毎月発行ですからこれでようやく1年分。クイズ大会の商品で「架空非行1年分」というのがあったら、この量です。おぼえておいて下さい。

さて、第12号のテーマは「パレードの落し物」です。

ご存知の通りパレードと言うものは、「A点からB点へと一定期間内に移動する集合体」であり、いつでもどこでも見られるというものではありませんので、何かと要領の悪い現代人の皆様方におかれましては、「去っていくパレードの小さな後ろ姿ばかりを目撃してしまう人生」や、「さっきまでパレードがここにいたんだよ…と教えてもらうばかりの人生」がしばしば見受けられます。

また、「部屋で独りで遠くから聞こえてくるパレードの音を聞くのが好き」とか、「パレードが来る前の気配だけを楽しむのが通である」などの生き方も決してマイノリティとは言えません。むしろ共感される方が多いのではないでしょうか。

そのように考えてみますと、パレードを目撃するというのは、誰でも当たり前のように体験することではなさそうです。

おそらく沿道に集まったほとんどの人にとって「初体験」だと言っても過言ではなく、パレードなんて何度も見てきたよ…と言うようなしらけた顔で鼻をかいている中年男性が、実はパレードの到着に胸が高鳴り、手のひらにじわりと汗をかいているなんてことも良くあることに違いありません。

ですから、「パレードの落し物」が不意に目の前に現れた時に、その場ですぐに適切な対応のできる大人がほとんどいなかったとしても、それは仕方のないことではないかと思うのです。

マナーの分からない高級料理を差し出されたかのように、横目で他の大人の動きを窺い、けん制し合い、愛想笑いのエールが交換されるでしょう。良識ある大人を自負する一部の人たちが市役所に問い合わせてみるものの、電話の向こうの部署が何度も変わっているうちに、パレードは隣の市へ入ってしまって管轄外となるのがオチです。

また、マナー教室の先生に「パレードが落し物をしたら…」などと聞こうものなら、その場の空気が凍りつくこと必至です。どうするべきかを知る方法は、大人にはもう存在しません。

そんな無限の行き詰まりの下、恐るべき子供たちばかりが道路に走り出ていくのです。

 

今回もずいぶんと前置きが長くなりました。MOCAさんの「モコモコパレード」はもっとずっと気楽に楽しめますので安心して下さい。

「くすっとBOOK」が架空ストアの作家さんやお客さんたちの間で話題となったのは、今から3年前のことです。それからほどなく完売してしまったので、「面白い作品があるよ」ではなく「あったんだよ」としか言えず、何とももどかしい日々が続いていました。

ほんの少しでも新作を拝見できないものかと、架空非行の原稿依頼をしてみたところ、実は新刊の用意がありまして…という嬉しい答えが返ってきてバンザイ!新刊「ふふっとBOOK」に合わせて架空非行第12号が登場する運びとなりました。

完売となっていた「くすっとBOOK」も再入荷しておりますので、モコモコパレードに興味を惹かれたなら、ぜひこちらもチェックしてみて下さい。とてもオススメです。

 

ゲストは、氷砂糖さんたなかなつみさん松岡永子さん葉原あきよさん五十嵐彪太さんの5人です。

目に見えない蜘蛛の糸がうっすらと漂っているような、ちょっと面白い並びが実現しているように思います。全然違ったパレードが描かれているようでいて、ひょっとしたら同じパレードを違った時空から眺めているだけなのかも知れません。こういう感じのことが意図的にできたら面白いんだろうなあと夢想したりもします。

試し読みは5本です。今までにない試みとして、ゲストの5人の作品を選んでみました。掲載順も同じです。それで何らかのリズムが生まれたかどうかはよく分かりませんが、いつもとは少し違った顔つきになっているような気がしています。

 

架空ストア実店舗店頭での配布および、通販時の同封で入手できます。7月末まで。ダウンロードでの提供もありますよ。

第13号・第14号では、これまでの総集編を予定しています。うっかり大変なことを予定してしまったなあと早くも後悔していますが、どうなることやらご期待下さい。